今回の新型コロナウイルス感染症の流行は、私たちの生活のあり方をガラッと変えてしまいました。
働き方や人との接し方だけでなく、人生において何を大事にするのかという価値観まで大きく変容しています。
今回は、そんなウィズコロナの世界、そしてアフターコロナの世界で、私たちの「幸せ」がどのように変わっていくのかを書いてみたいと思います。
必要ないと気付いてしまったあれこれのこと
今までなんとなく無駄だな~、と思いながらも慣例的に行っていたさまざまなこと、ありますよね。
それが、コロナによって強制的に削減された結果、「あ、やっぱり必要なかったか」と気付いてしまった人たちがたくさんいます。
あるいは、今まで必要だと思っていたけれど、いざできなくなったら意外と問題なかった、と気付いたこともあります。
感染拡大防止のためにやむを得ずやり方を変えたことではありますが、やってみるとかえってその方がよかったということもありますね。
一方で、直接会ってコミュニケーションが取れないことで起こっている問題もあります。
離れて仕事をしていても、ビデオ会議やチャットなど、便利なコミュニケーションツールはたくさんありますが、それでも隣や向かいの机に座っている先輩にちょっと質問する、という気軽さには及びません。
これくらいのことでわざわざ連絡するのも・・と気が引けてしまうこともあります。
ビデオ会議で顔が見えるといっても、部下の微妙な様子の変化を感じ取ることは難しいかもしれません。
今までは、直接顔を合わせたときの表情や顔色、声のトーンなどで相手の状態を把握することができたかもしれませんが、パソコンの画面越しのコミュニケーションでは、違うやり方が求められます。
そうしたことにも慣れていく必要がありそうですね。
変わりゆく人間関係
そして、このような状況の中で、周りの人との関係はどのように変わったでしょうか。
外出自粛によって、本当に会いたい人と会えないつらさもありますが、今まで惰性で付き合っていたような相手とは会わずにすむ、と思っている人もいるかもしれません。
何となく断りづらくて付き合っていた相手に対して、コロナという正当な理由ができたということです。
アフターコロナの世界では、表面的な関係は消え去り、本当につながりたい人とだけつながるようになるでしょう。
そして、より本質的なつながりが増えていくと思います。
一方、「コロナ離婚」という言葉が聞かれるようになりました。
外出自粛で家族が一緒にいる時間が増えたことでいろいろと問題が起こっているようです。
しかし、コロナはきっかけにすぎません。
今まで見て見ぬふりをしていたさまざまなことが顕在化してきたというだけです。
夫婦であれ、友人であれ、仕事仲間であれ、表面的な関係を乗り越え、本質的なつながりを築くことを求められる時代になっていくのではないでしょうか。
これからの「幸せ」のかたち
今回の新型コロナウイルスは、感染症という病気だけでなく、さまざまな課題を私たちに突きつけました。
そして、強制的に現実と向き合うことを要求しているのです。
これは悪いことばかりではありません。
古い価値観から新しい価値観にパラダイムシフトしたとき、私たちの生き方、あり方、そして幸せの形はどうなるのでしょうか。
ウイルスという自然の脅威の前に、私たちは無力でした。
みんなで心を合わせて外出自粛し、医療従事者のみなさんにエールを送ることしかできませんでした。
どんなにお金を持っていても、高い地位にいても、技術力があっても、ウイルスには関係ありません。
本当に大切なことは外側にはないんだということを多くの人が実感しました。
当たり前の日常の生活が何よりも大事だよね、と。
アフターコロナの世界では、シンプルな生き方とシンプルな幸せが支持されると思います。
身近な人とより本質的なつながりを持ち、自分の心に正直な生き方をする人が増えていくでしょう。
引き続き「三密」は避けられるかもしれませんが、身近な人との心のつながりはより「密」になっていくでしょう。
そこから生まれる「幸せ」、当たり前の生活の中の「幸せ」をより大切にする人が増えていくのではないかと感じています。
アフターコロナの世界がどうなるか、本当のところは誰にもわかりません。
だからこそ、私自身はどんな世界にしたいか、どのように生きていきたいかをしっかりと考えて実現していきたいと思っています。
青木仁美
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- アフターコロナ/ウィズコロナの世界で「幸せ」はどう変わるのか - 2020年5月22日